新生児聴覚スクリーニング検査をきっかけに、我が家の双子の「聞こえ」と向き合ってきた成長記録です。
今回は、3歳になった娘たちのCOR検査(条件反射視覚聴力検査)の結果と、そのデータから見えてきた「いま家庭で取り組むべき療育のステップ」について分かりやすくまとめました。
人工内耳や補聴器を装用しての育児、そして「言葉の発達」に日々奮闘されている保護者の方の参考になれば幸いです。
3歳双子のCOR検査結果と「目指すべき聞こえのレベル」
まずは、今回受けたCOR検査の結果からお伝えします。
📊 COR検査(条件反射視覚聴力検査)結果概要
- 対象年齢:3歳
- 装用状況:人工内耳(両耳装用)
- 測定された聴力レベル:30dB〜60dB
日常会話において「あいうえお」などの母音や子音を正しく識別するためには、音の聞き取りやすさが格段に重要になります。言語獲得を目的とした療育の現場でも、この30〜60dBという数値をひとつの目標値として掲げることが一般的です。
専門用語「スピーチバナナ」とは?結果の読み解き方
COR検査の結果を分析する際に重要となる指標が「スピーチバナナ」です。
人間が日常生活で会話をするときに使う音の高さ(周波数)と大きさ(音圧)の範囲を聴力図上にプロットすると、ちょうどバナナのような形になることからこう呼ばれています。
引用元:スピーチバナナ(ことば・きこえの教室:千葉市立高洲第三小学校)
今回の検査で、娘たちの聴力はこの「スピーチバナナ」の領域内にしっかり入っていることが確認できました。人工内耳を装用してからここに至るまで、本当に長い道のりだったと実感しています。
「聞こえた」から「話せる」へ ― 家庭で言葉を溜める3ステップ
機器によって音や声がしっかり届いていることが分かったら、次のステップは「心の中に言葉の貯金を溜めていく」作業です。
注意したいのは、健聴児と同じように「ただ大量の言葉を浴びせる(かけ流す)」だけでは、難聴児にとっては単なるBGM(背景音)として聞き流されてしまい、効果が得られにくい点です。
着実に言葉を自分のものにするには、以下の3つのステップを意識することが大切になります。
順序が大切な言葉の発達ステップ:
- 【実体験】:まずは五感を使って、本人が身をもって経験する
- 【写真・絵日記・ごっこ遊び】:その体験を何度も振り返り、記憶を定着させる
- 【手話・音声言語との結びつき】:体験と「言葉(シンボル)」を一致させ、はじめて概念になる
特に、子ども自身が「これ、好き!」「面白い!」と強い興味を示している分野から進めると、記憶と言葉の結びつきが驚くほどスムーズになります。
1. 言葉の土台となる「シンボル」の獲得とは?
療育において頻出する「シンボル」という言葉ですが、これは一体どのような意味なのでしょうか。
💡 シンボルとは?(実物の代わりに使用するイメージ・記号)
発達の流れ: 実物・実体験 ⇒ 記憶・写真・絵 ⇒ 見立て・ごっこ遊び
記憶や写真、絵などは「実物の代理物(=シンボル)」です。言葉(言語)もまた実物の代理物であり、他者と共有できる社会性を持っています。
言葉というシンボルを獲得することで、子どもは目の前に実物がなくても頭の中で自由にイメージを描き、筋道を立てて考える力を養っていきます。この力が将来の「学習言語」の基礎となります。
(参考:文教大学 小野里先生「乳幼児の心とことばの育ち」)
2. 語彙数よりも重要な「概念の深さ」を育てる
単語の数をたくさん暗記すること以上に重要なのが、「1つの物事に対してどれだけ豊かなイメージを持てるか」という概念の深さです。
深い概念を持っている子どもほど、表現力や想像力が豊かになり、形容詞や動詞など多角的な言葉の発達につながります。
💡 「概念」の形成プロセス(例:りんご)
お店で選んで買った体験、絵本で読んだ体験、おままごとで包丁を使って切った体験…これらの多様な実体験を通して「りんご」という概念が形成されます。
概念を構成する要素:
① そのモノが持つ意味
② 共通の性質を持つカテゴリー名(言語)体験が積み重なるほど、「赤い・丸い・甘い・サクサクしている・果物・種がある」といったイメージの引き出しが増え、結果として語彙も自然と豊かに広がっていきます。
(参考:文教大学 小野里先生「乳幼児の心とことばの育ち」)
今の我が家にとって最も重要なのは、まさにこの「言葉の貯金を溜める」フェーズです。休日は色々な場所へ出かけ、五感をフルに使う実体験をたくさんプレゼントしていきたいと思っています。
💡 先輩ママパパが聴いて救われた「育児・心のケア」の本
わが子の聞こえに向き合うとき、手話の基礎や療育の考え方、心の整え方を知ることで、不安や負担がすっと軽くなります。ですが、赤ちゃんのお世話や抱っこをしながら本を開くのは本当に大変ですよね。
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まとめ:今、我が家の双子にすべきこと
COR検査の結果、両耳の人工内耳によって30〜60dBという良好な「聞こえ」の領域に入っていることが確認できました。
現在は「音が聞こえる」状態から「言葉を話せる」状態へとステップアップするための、最も重要で大切な準備期間です。
- 実体験を積み重ねる
- 写真や遊びで楽しく振り返る
- 手話や言葉(シンボル)と結びつける
このプロセスを日常のなかで大切にしながら、楽しみつつ言葉の発達をサポートしていきたいと思います。同じように難聴児の育児や療育で試行錯誤されているご家庭にとって、本記事が少しでもお役に立てば幸いです。




